鬼神もの)” の例文
踏み越えても這入れさうに見える石畳だけれど、大昔の約束で、目に見えぬ鬼神ものから人間に到るまで、あれが形だけでもある限り、入りこまないことにした。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
帷帳とばりを周らした中は、ほの暗かつた。其でも、山の鬼神もの、野の魍魎ものを避ける為の燈の渦が、ぼうと梁に張り渡した頂板つしいたに揺らめいて居るのが頼もしい気を深めた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
踏み越えても這入はいそうに見える石垣だが、大昔交された誓いで、目に見えぬ鬼神ものから、人間に到るまで、あれが形だけでもある限り、入りこまぬ事になっている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
帷帳とばりめぐらした中は、ほの暗かった。其でも、山の鬼神もの、野の魍魎ものを避ける為の灯の渦が、ぼうとはりに張り渡した頂板つしいたに揺めいて居るのが、たのもしい気を深めた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
石城を掘り崩すのは、何処からでも鬼神ものに入りこんで来い、と呼びかけるのと同じことだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
石城しきを掘り崩すのは、何処からでも鬼神ものに入りこんで来いと呼びかけることに当る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)