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鬘下
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かつらした
ふりがな文庫
“
鬘下
(
かつらした
)” の例文
男役になっている女は、頭を
鬘下
(
かつらした
)
にし、荒い縞模様の着物を着ている。二人は相合傘の中で、形をきめると、男役の方が、正面を向いた。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
鬘下
(
かつらした
)
のよく似合ふ、眼の大きい顏が、恐怖と焦燥とに顫へながら、群集の中から何やら搜してゐる樣子でしたが、やがてお靜の眼と眼が會ふと
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうしてその長い
鬢
(
びん
)
の生え際を引き剥がすとそのまま、丸
卓子
(
テーブル
)
の上にうつむいて両手をかけて
仮髪
(
かつら
)
を脱いだが、その下の
護謨
(
ごむ
)
製の肉色をした
鬘下
(
かつらした
)
も手早く一緒に引き剥いで、机の上に置いた。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
鬘下
(
かつらした
)
のよく似合う、眼の大きい顔が、恐怖と焦燥とに
顫
(
ふる
)
えながら、群集の中から何やら捜している様子でしたが、やがてお静の眼と眼が合うと
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お京は白い襟のついた
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の長襦袢を着ている。
鬘下
(
かつらした
)
にした髪からは、濃いビンツケの香が立ち、白粉と香水とのまじった官能的なにおいは、金五郎の鼻孔をくすぐる。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
▼ もっと見る
お關は濡れた肩を落して、疊の上へ
華奢
(
きやしや
)
な手を突くのでした。美しい眼が少しうるんで意氣な
鬘下
(
かつらした
)
が心持顫へます。
銭形平次捕物控:160 二つの刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬘下
(
かつらした
)
の頭で、
元禄模様
(
げんろくもよう
)
の着物を着た女は、演壇の金五郎を、またたきもせずに、見つめている。その
艶
(
えん
)
な姿が、若々しく、美しい。マンは、狐につままれたような気持だった。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
お組は顔を挙げました、
鬘下
(
かつらした
)
が露を含んだようで、
浴衣
(
ゆかた
)
に染めた
源氏車
(
げんじぐるま
)
が、重々しく肩にのしかかるのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬘下
(
かつらした
)
に頬冠りをして、男姿になると夜眼では一寸女とわからないよ。——さらはれた子供達にお紋の首實驗をさせ、親達に和吉や磯五郎を鑑定させたのは大笑ひさ。
銭形平次捕物控:171 偽八五郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬘下
(
かつらした
)
が露を含んだようで、
浴衣
(
ゆかた
)
に染めた
源氏車
(
げんじぐるま
)
が、重々しく肩にのしかゝるのです。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
平次は
鬘下
(
かつらした
)
に結つた、死骸の頭のあたりを
撫
(
な
)
でて居ります。
銭形平次捕物控:151 お銀お玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬘
漢検1級
部首:⾽
21画
下
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
“鬘下”で始まる語句
鬘下地