驚異おどろき)” の例文
新らしい悲哀かなしみ驚異おどろき、まだ固い真青な柿の実はキラキラと厚い葉の簇から銀と緑を射返し、あの華奢な白猫のゐたあたりには
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
驚異おどろきのあまり、我は身をわが導者に向はしむ、そのさま事あるごとに己が第一の恃處たのみどころに馳せ歸る稚兒をさなごの如くなりき 一—三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わが靈は(はやかく久しく彼の前にて驚異おどろきのために震ひつゝくじかるゝことなかりしに) 三四—三六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
而してただぢつと私を凝視めてゐる。蒼い光が何処からともなく其奴そいつらの横顔に射しつけると恐怖おそれとも驚異おどろきとも、悲しさとも怪しさとも何とも名状し難い冷たさが犇々と私の身辺に詰め寄せて来た。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)