香嚢こうのう)” の例文
一六はいやだ、と怪庵口をとがらしていふ。きのふ蘇山人そさんじんに貰ひたる支那土産の小筆二本と香嚢こうのうとを出させて怪庵に示す。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
妹は不潔物を抱へて去り、母は金盥かなだらいを持ち来り、窓掛をあけなどす。余は起き直らんとして、畳の上にありし香嚢こうのうの房の先のビードロをひじに敷きて、一つ割る。桃色のシヤボンにて手を洗ふ。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)