トップ
>
首肯
>
うな
ふりがな文庫
“
首肯
(
うな
)” の例文
十分ばかりすると、千代子は百代の耳に口を付けて、「百代さんあなた宵子さんの死顔を見て」と聞いた。百代は「ええ」と
首肯
(
うな
)
ずいた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そう言うと「ええ。」と
首肯
(
うな
)
ずいて、目をとじた。二階へあがりかけると、この古い家の梯子段が暗くて、へんな闇の
匂
(
にお
)
いのような
湿
(
し
)
けたくさみがした。
音楽時計
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
私の土佐の友人吉永虎馬氏は植物に明るい人であるが、先年ソバノキの花はその観ソバの花の様だから、そういうだろうと私に話したことがあって当時私は成る程と
首肯
(
うな
)
ずいた。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼はお延の置いて行った書物の
中
(
うち
)
から、その一冊を
抽
(
ぬ
)
いた。岡本の所蔵にかかるだけあるなと
首肯
(
うな
)
ずかせるような
趣
(
おもむき
)
がそこここに見えた。不幸にして彼は
諧謔
(
ヒューモア
)
を解する事を知らなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
会心の微笑を
洩
(
も
)
らしながら
首肯
(
うな
)
ずいて、それを
鷹揚
(
おうよう
)
に枕元へ
放
(
ほう
)
り出すか、でなければ、ごく簡単な、しかし細君に対して最も満足したらしい礼をただ一口述べて、再びそれをお延の手に戻すか
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
首
常用漢字
小2
部首:⾸
9画
肯
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
“首肯”で始まる語句
首肯点頭