にぎ)” の例文
こんなことを考えて見ると、寂しくてはかない気もするが、すぐに其は、自身と関係のないことのように、心はにぎわしく和らいで来て、為方がなかった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
横佩家の郎女が、称讃浄土仏摂受経しょうさんじょうどぶつしょうじゅぎょうを写しはじめたのも、其頃からであった。父の心づくしの贈り物の中で、一番、姫君の心をにぎやかにしたのは、此新訳の阿弥陀経あみだきょう一巻いちかんであった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)