飽迄あくま)” の例文
海は、さながら、鏡のおもてに息を吹きかけて、曇った程にしか見られない。彼の、北国ほっこくの海の上を走るような、黒い陰気な雲の片影すらなかった。曇っても飽迄あくまで明るい瀬戸内海は女性的である。
舞子より須磨へ (新字新仮名) / 小川未明(著)