“飇風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょうふう60.0%
へうふう40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
が、荷風先生の推挙があつてから間もなく、「三田文学」へ「飇風ひょうふう」を書いた時は、黙つてゐてもちやんと先方から稿料を届けて寄越した。
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
タッタ一つ恩人の顔だけを見て死にたいと憧憬あくがれ願っている……その超自然的な感情が裏書きする戦争の暴風的破壊が……秒速数百米突メートルの鉄と火の颶風ぐふう、旋風、飇風ひょうふう
戦場 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
われは飇風へうふうに捲き起さるゝ沙漠の砂の如き、常に重く又暗き空氣を見き。われは亡魂の風に向ひて叫喚するとき、秋深き木葉の如く墜ちゆく亞當アダムやからを見き。
この作者には、『飇風へうふう』以来、何処か不思議な畸形的なところがあるを私は見て来た。そこが好いやうでもあり、わるいやうでもあつた。しかし、今日考へて見ると、其処が矢張谷崎氏の特色だ。
或新年の小説評 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)