頭上とうじょう)” の例文
この間を縫うて四人は一歩一歩辿たどった。ちょうど中頃の最も崩壊の甚だしい処に至ると、頭上とうじょううなりを生じて一大石塊が地にちた。
保はかくの如くに思惟しゆいして、校長、教師に敬意を表せず、校則、課業を遵奉じゅんぽうすることをも怠り、早晩退学処分の我頭上とうじょうに落ちきたらんことを期していた。校長諸葛信澄もろくずのぶずみの家にを通ぜない。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ト云う声が頭上とうじょうに響いて、誰だか肩をたたく者が有る。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)