けつ)” の例文
そして今一たび其まきを繙閲する。巻は百れいけつの半紙本で、頁数けつすうは森枳園きゑんの朱書する所である。首に「葌斎詩集、伊沢信恬」と題してある。印が二つある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
詩集は蘭軒の自筆本で、半紙百零三けつの一巻をなしてゐる。蠧蝕としよくは極て少い。蔵弆者ざうきよしやは富士川游さんである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
躋寿館では『医心方』影写程式えいしゃていしきというものが出来た。写生は毎朝辰刻まいちょうたつのこくに登館して、一人一日いちにんいちじつけつを影模する。三頁を模しおわれば、任意に退出することを許す。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
欄外評は初けつより二十七頁に至るまで、享和元年より後二年にして家を嗣いだ阿部侯椶軒正精そうけんまさきよの朱書である。まゝ菅茶山の評のあるものは、茶字を署して別つてある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)