鞘當さやあて)” の例文
新字:鞘当
議官セナトオレの甥と鞘當さやあてして、敵手あひてにはきずを負はせたれど、不思議にその場をのがれ得たり。かくてこたび「サン、カルロ」座には出でしなり。
猛烈な達引と鞘當さやあての中に、駒次郎が次第に頭を擡げ、町内の若い衆も、勝藏も排斥して、お勢の愛を一人占にして行く樣子でした。
大阪へ戻つて、二三日道頓堀の宿屋に泊つてゐる中に、芝居見物をしたが、狂言は不破ふは伴左衞門、名古屋山三さんざ鞘當さやあてであつた。花盛りの太い櫻の幹を山三が刀で切り開くと、女の生首なまくびが現はれた。
天満宮 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
八五郎さんの鞘當さやあての相手になるものか。お前にはもつと結構な娘を見付けてやるよ。——あの茂野さんのやうな。なア、八
情事いろごととなると、恐ろしくカンの惡い親分が、今度は當りましたよ。鞘當さやあての目當ては、金澤町の平野屋の若旦那金之助——口惜しいがあつしぢやありません」
「それは嘘だが、喧嘩があつたんですよ、——女と女の大鞘當さやあて、名古屋のお三に不破ふはのおはん
武家の子と町人の子——それも出前持の若い男が、鞘當さやあての出來る世の中ではありません。
どちらも、金が目當てだつたことは言ふ迄もありませんが、それでも、お園とお組が、掴み合ひの大鞘當さやあてをするだけあつて、若旦那の金之助は、なか/\の美男でもありました
「大きな聲ぢや言へませんが、五十男は箸癖はしくせが惡いから、事と次第では、若樣と鞘當さやあてくらゐはやり兼ねませんよ。無役でお金があつて、丈夫であぶらぎつて、少々ケチでいらつしやるから無理もありませんが」
鞘當さやあてをして居ると言ふ噂もありました。