面衣ヴェール)” の例文
彼は薄黒い男共が、白い面衣ヴェールをつけて、短艇で果實を賣りに來たのを珍らしさうに檣樓から降りて見もした。それ等はベドウアン人であると他の者が彼に教へた。
表面は氷で青白いけれども、何となく底の下から緑いろの水のうるみを感じさせている湖水は、うごめく春の兆しを月光に見破られまいと強いて面衣ヴェールを緊くしているようにも取れます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)