難有ありがたき)” の例文
中には見ず識らずの人も多きにわざわざ書を寄せられてとかくの御配慮にあずかる事誠に難有ありがたき次第とそぞろ感涙に沈み申候。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「重々難有ありがたき御言葉。何分老年と申し覚束おぼつかなき事に存候ぞんじそうろう。しかし御方様よりの仰せに付、かしこまり奉る。まことに身に余る面目。老体を顧ず滞京、千代造稽古の儀御請おうけ申上もうしあげ候」
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
松雪院様何とやらんおもはゆげに愚老が耳の傷痕を見そなはせられ、かのみぎりは女の身として酒興に乗じ便なきことをし侍りぬ、許せよと被仰候、何共恐入候儀にて唯々難有ありがたき事に奉存候