隅田すだ)” の例文
隅田川とは隅田すだを流るゝをて呼ぶことなれば、隅田村以上千住宿あたりを流るゝをば千住川と呼び、それより以上をば荒川と呼ぶ習ひなり。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
常備の六波羅直属もいるが、ここをからにするわけにはゆかず、隅田すだ、高橋の五千が向っても破れ返った敵と考えると、うかつな計も立てられなかった。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
高橋隊の逆行を見て、隅田すだの一勢も、突くところに戸まどった。そのうえ阿倍野の一端からは、約二百ほどの騎馬の楠木勢が、疾風はやてのようにむかって来た。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして主上、両院のおん輿こしは、自分らのおもなる者で護りかためる。また女院の輿へは隅田すだ源七、高橋又四郎らをつき従わせ、後陣は壱岐孫四郎いきのまごしろう、安藤太郎左衛門たちの手にゆだねた。
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頃を見ていた隅田すだ勢は、鉦を鳴らして橋上を駈け出した。ほとんど、この方へは、いくらの矢風も吹かないうちに、はや北詰からも迫って来た楠木勢と、橋の真ン中で白兵戦になっていた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)