附合つけあい)” の例文
子規はその著述の中において、附合つけあいすなわち芭蕉翁の唱導した俳諧の連歌は、文学でないと明言しているのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
同じ夏の夜であっても、『猿蓑』の附合つけあいにある「暑し/\と門々の声」では、なお全く炎苦から離脱出来ぬが、これは自分は已に寝ているほど涼しいのである。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
世人しばしば俳諧附合つけあいの両句を通読して狂歌となしたるもの多きを論じ、『犬筑波いぬつくば』の
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
もしやこれが談林風だんりんふうに作者のくうにこしらえた名であったとすると、この附合つけあいの写実味もずっと減るのであるが、私だけはそうでないように思ってさがしている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
という附合つけあいの句は、ずっと以前『七部集』を耽読たんどくした頃から、頭に沁み込んで離れぬものの一であるが、これが先入主になっているせいか、野童の柿の蔕も直に梢にあるものと解釈した。
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)
『七部集』の附合つけあいの中には、木綿もめん風情ふぜいを句にしたものが三カ処ある。それから木綿とは言ってないが、次の『炭俵すみだわら』の一節もやはりそれだろうと私は思っている。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
附合つけあいの中に「豆の葉も色づく鳥羽のうね伝ひ 林紅」
古句を観る (新字新仮名) / 柴田宵曲(著)