阿備あび)” の例文
阿備あびか——と飛びつくように迎えてくれるであろうと思っていた母の姿も見えなかった。いや母の部屋だけにたった一つあった箪笥たんすも寝台も見えなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「母上、あなたの息子は、今帰って来ました。阿備あびとお呼び下さい。阿備ですよ」
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿備あび、おいで!」と、きつい顔して、彼の腕を片手で引っ張った。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
阿備あび」と、声まで、常とはちがって呼んだ。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)