間延まのび)” の例文
「遊ばせてくれますか、」と種田君はいつもの間延まのびな調子で云つたあとで、「エヘツヘヘ」と可笑しくもないのに笑ふと云つた風に軽く笑つた。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)
あの雪駄直しは、山谷の巳之松みのまつといふ男さ。わけがあつて自分から身を落してあんなことをして居るんだとよ、わけても柔術やはらは名人ださうで、お前のやうな間延まのびのした人間を
別嬪べつぴんになつたねえ。」間延まのびの口調がいかにも誇張のない驚きをあらはしてゐる。
二黒の巳 (新字旧仮名) / 平出修(著)