開扉ひらき)” の例文
路次の奥に、駄菓子屋の裏口と思われる辺に、一枚の開扉ひらきがあって、外から海老錠えびじょうがかかっていた。お清は帯の間から鍵を取出して、それを開いた。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
玄関には開扉ひらきが寄せてあったが、まだ締りはしてない様子だ。丁度いいと思って、いきなり中に飛び込んだものだ。そして郵便と云いながら小包を投り込んでやった。
未来の天才 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
開扉ひらきには締りがしてなかった。俺達は泥坊のようにそっと忍び込んだ。つき当りの勝手許まで辿りついて、其処に身を潜めた。中では何かことことと用をしてるらしかった。
神棚 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)