長万部おしゃまんべ)” の例文
旧字:長萬部
長万部おしゃまんべ近くなると、湾をへだてゝ白銅色の雲の様なものをむら/\と立てゝ居る山がある。有珠山うずさんです、と同室の紳士は教えた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
鈴木はもと長万部おしゃまんべのばくちうちで、ひとをころしたおぼえのあるやつで、みなのほうへふりかえって舌をだしたり、じょうだんをいったりしました。
海豹島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
長万部おしゃまんべから噴火湾の海岸を離れて内地へ這入る。人間の少ないのに驚く。ちゃんとした道路があるが通っている人影が見えない。畑に働いている人もめったには見付からない。
札幌まで (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)