)” の例文
それは精巧な刀であったが、一行の文字をってあった。それは胆欲大而心欲小、知欲円而行欲方というのであった。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
名前の下へ印をかねばいくまいと云ふから、袂の中から坂本とつた見印みとめを出して捺いてやつたさうです。
浅見絅斎けいさいが四尺の大刀をよこたえ、その刀身に「赤心報国」の四字をり、「予は足関東を踏まず、時ありて機をば、義兵を挙げて王室をたすくべし」と慷慨こうがい
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
王成が拾って視ると細かな文字をってあった。それは儀賓府造ぎひんふぞうという文字であった。
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
しかれども『幽室文稿』の活ける松陰の自伝たるが如く、『省諐録』は、活ける象山の精神的影像なり。彼にして血を以て書かれたる懺悔録ならば、これは鋼筆を以てられたる記念碑なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)