銀鼠ぎんねずみ)” の例文
いつも銀鼠ぎんねずみの洋服に銀鼠の帽子をかぶっている。はむしろ低い方かも知れない。けれども見たところはすらりとしている。
お時儀 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
銀鼠ぎんねずみの空に、くっきりとあかく染め抜かれたアドバルーンの文字が、勝利の狼烟のろしのように、たかだかとあがっているのだ!
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
海原うなばらのこのもかのもの銀鼠ぎんねずみ千々に砕くるかのもこのもに
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それが今不意に目の前へ、日の光りをかした雲のような、あるいは猫柳ねこやなぎの花のような銀鼠ぎんねずみの姿を現したのである。彼は勿論「おや」と思った。
お時儀 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)