銀杏形いちょうがた)” の例文
笑う時は、少し身を斜めにして、美しく染めたくち鉄漿おはぐろへ、銀杏形いちょうがた扇子せんすを当てて笑うのが、彼のいつもする癖だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形いちょうがたれの中で、ほど良しと思うものを彼ははしで選み上げた。手塩皿の溜醤油たまりに片れの一角を浸し熱さを吹いては喰べた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)