銀杏加藤ぎんなんかとう)” の例文
梶川少年から、頼もしい限りの言葉を聞かされた銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方は、その最後の一句に至って、美しい面を曇らせて
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
尾張名古屋城下第一の美人とうたわれた銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方と、その弟伊都丸いつまると、岡崎藩の美少年梶川与之助かじかわよのすけのその後の物語が、久しく打絶えておりました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
銀杏加藤ぎんなんかとうの家を去って後に、この奥方は清洲きよすへ移って、広大な屋敷の中へ、質素な住居をたて、心利こころきいた二三の人を召使って、静かに引籠ひきこもっているということ。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方様、つまり、この障子の内においでなさるあなた様が、尾張の名古屋の城下では、第一等の美しいお方でいらっしゃるというおうわさを伺ったものでございますから
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
横浜方面では異人館とシルクとの取引もそのままになっている——美しき銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方と、梶川少年と、伊都丸少年とが、一は名古屋城下に戻り、一は阿蘇山麓に向う一条は余派の如くして
銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方が、名古屋第一ということに極めがついていますのよ、五年前——ちょうど、こんな夜さりの品定めで、皆さんの評定がそこに定まって、どなたも異存がありませんでした……」
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
┌─銀杏加藤ぎんなんかとうの奥方
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)