鉄肌かなはだ)” の例文
老公は、抜きはなった脇差のひややかな鉄肌かなはだをもみ紙でそっと拭いていた。捨てられた紙に樹液のにおいがする。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
蘆屋あしやであろうか、古天妙こてんみょうの作であろうか、そんなことは、彼の知識のほかである。彼がふと、おもしろく見たのは、古びた鉄肌かなはだに浮いている猿の地紋であった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)