金棒引かなぼうひ)” の例文
ちッ! 用のある時はきまってそこらにいやあしない。いい年をしやがって、あんな金棒引かなぼうひきもないもんだ。ばあさん!——しようがねえなあ。婆あッ!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「友田の金棒引かなぼうひき奴、人間の皮かぶった畜生じゃ。胃潰瘍いかいようちゅうことじゃが、早く、くたばりやがりゃええのに」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
しばらくしてわたしたちは夕食の食卓しょくたくにすわった。食事は長くはかからなかった。なぜなら金棒引かなぼうひきであるこのおばさんは、そのばんごくお軽少けいしょうのごちそうしかしなかった。
「いえ、お勝手へ潜り込めば、どんなことだって出来ます。下女のお角は、江戸生れを自慢にして居る金棒引かなぼうひきですから、お勝手を空っぽにして、どこまでも遊んで歩いております」
とてもかんのいい、金棒引かなぼうひきの人たちは
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)