酒瓶しゅへい)” の例文
楚々そそ——いとも楚々としてなよやかな佳嬪かひんが列をなしてきた。おのおの、酒瓶しゅへい肉盤をささげている。酒宴となった。哄笑、談笑、放笑、微笑。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
酒瓶しゅへいを持って勧める人も皆さっぱりとしたふうをしていた。一種古風な親王家らしいよさのある御歓待の席と見えた。
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
世事の慷慨こうがい、他愛もない談笑、三人はすっかりいい機嫌になりいい仲になった。酒も四角よんかく(四合入りの酒瓶しゅへい)を何度卓へ呼んだことやらわからない。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い役人などは笑いがおさえられないふうである。しかもこれは笑いやすいふうではない、落ち着いた人が酒瓶しゅへいの役に選ばれてあったのである。すべてが風変わりである。
源氏物語:21 乙女 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そしてしょくを運んできた社家の者に、酒をさいそくしていた。ふたりの前には、まもなく、酒瓶しゅへい折敷おしきが供えられた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)