邯鄲子かんたんし)” の例文
朝凪あさなぎの海、おだやかに、真砂まさごを拾うばかりなれば、もやいも結ばずただよわせたのに、呑気のんきにごろりと大の字なりかじを枕の邯鄲子かんたんし、太い眉の秀でたのと、鼻筋の通ったのが、真向まのけざまの寝顔である。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)