遺髪いはつ)” の例文
やがて還って来るものは、遺髪いはつと爪だけかとまで、一ころは深く思いあきらめていた彼の妻には、大きく左の肩を落して、跛行びっこをひきひき歩く良人の姿も、よくぞご無事で——としか見えなかった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)