遯世とんせい)” の例文
すなわちまず海棠かいどう羞殺しゅうさいして牡丹を遯世とんせいせしむる的の美婦と現じて、しみじみと親たちは木のまたから君を産みたりやと質問したり
戸数は三十有余にて、住民ほとんど四五十なるが、いずれも俗塵ぞくじんいといて遯世とんせいしたるが集りて、悠々閑日月を送るなり。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
明応六年といえば彼の遯世とんせいに先だつこと二十年である。
上杉憲実うえすぎのりざね遯世とんせいして遠竄えんざんせしを、主人持氏もちうじを非業に死なせた報いと噂するを聞いて、われまた以てしかりとなすと言った。