遮虜鄣しゃりょしょう)” の例文
諸将僚もこれにうなずいた。全軍の将卒に各二升のほしいいと一個の冰片ひょうへんとがわかたれ、遮二無二しゃにむに遮虜鄣しゃりょしょうに向かって走るべき旨がふくめられた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
遮虜鄣しゃりょしょうを出るとき各人が百本ずつ携えた五十万本の矢がことごとく射尽くされたのである。矢ばかりではない。全軍の刀槍矛戟とうそうぼうげきの類も半ばは折れ欠けてしまった。文字どおり刀折れ矢尽きたのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)