逼息ひっそく)” の例文
それから後は阪神附近をアチコチと流離していたが、ドコにもれられないでとうとう九州に渡って別府に逼息ひっそくし、生活につかれた病躯びょうくかかえて淋しく暮した。
家倉を張った大商人おおあきんどが根こそぎ焼かれて、田舎へ引込むとか他の町へ逼息ひっそくするなどということも珍しくないし、貸家ずまいの者などは殆んどが移転してしまう
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「いえ、あの、浪人者でござります。それも長いこともう世に出る道を失いまして、逼息ひっそくしておりますゆえ、よい仕官口が見つかるようにと、二つにはまた、あの——」
ぐずり御免のお墨付と共に、家光公より拝領の名笛が維新後赤坂辺に逼息ひっそくしていられたその後裔こうえいに伝えられていたという話ですが、今どこへいったか、現存すれば博物館ものでしょう。