連翹れんげう)” の例文
どの公園へ行つても木蔭にチユウリツプが咲いて居る。立木たちきの花は甚だすくない、純白の八重桜に連翹れんげうと梨ぐらゐのものである。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と数へたやう、梅、連翹れんげう、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍薬しやくやくと順々に咲いては散つて行つた。
花より雨に (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
蘇芳や連翹れんげうがさき、木蘭が盃をたて、どうだんが提灯をさげ、梢には四十雀が鳴きかはし、陽炎のたつ地べたには穴に出はいりする蜂の影が小忙しく動く頃
きもの (新字旧仮名) / 中勘助(著)
え始めた若葉の上、連翹れんげうが上から差しのぞいて、淡い春の陽、遠卷にした野次馬の眼にも、荒筵からはみ出した白い脛と、踏み脱いだ下駄が、赤い鼻緒を下にして、八文字に飛散つてゐるのが
金のはくおく連翹れんげう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と數へたやう、梅、連翹れんげう、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍藥しやくやくと順々に咲いては散つて行つた。
花より雨に (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)