這裏このうら)” の例文
さらば此男も、身體こそ無造作に刻まれた肉魂の一斷片に過ぎぬが、人生の大殿堂を根柢から搖り動かして轟き渡る一撞萬聲の鯨鐘の聲を深く這裏このうらかくして居るのかも知れない。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
或は又、「空腹」の影薄さも這裏このうらに宿つて居るかも知れない。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)