追立おひた)” の例文
十八九時分に、学窓にもぢつとしてゐられず、何か追立おひたてられるやうな気持で、いきなり故郷を飛出した頃の自分と同じであつた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
ひき交換とりかへたとは事實まことか? ならば何故なぜこゑまでも交換とりかへなんだぞ? あのこゑがあればこそ、いだきあうたかひなかひな引離ひきはなし、朝彦あさびこさま歌聲うたごゑで、可愛いとしいおまへ追立おひたてをる。
「でもこの家があつたから、かうして居られるんぢやありませんか。有難いぢやないの。」妻が喙を出して、「家を追立おひたてられたときのことを思つてごらんなさい。厭なもんだわ。」
余震の一夜 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)