迂路々々うろうろ)” の例文
磯は少時しばら此店ここの前を迂路々々うろうろしていたが急に店の軒下に積である炭俵の一個ひとつをひょいと肩に乗て直ぐ横の田甫道たんぼみちそれて了った。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「僕、」と応じはしたけれども、急に顔を上げたので誰に返事をするのであるか、自分にも分らないで迂路々々うろうろするのを柳沢は気軽に引取って
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やみに透して向うの様子を見ると、鉄門は開かれ、右手めての石段の上に四五人の男が迂路々々うろうろしている。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)