身妝みなり)” の例文
身妝みなりも悪くはないし、おちついた人柄で、泊っているあいだもあまり口はきかず、少量の酒をめるように飲みながら、他の客たちの世間ばなしを黙って聞いている。
ほかの乞食とはちがって、身妝みなりもさっぱりしており、人の家の勝手口で残った冷飯や菜を貰うほかには、道ばたで物乞いをすることもないし、銭などには決して手を出さなかった。
橋の下 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
また身妝みなりのさっぱりとしたようすでみると、大きな商家の番頭というふうであった。
夜の蝶 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
子供たちのおゆうに対する態度は、おりつに対するのとまったく違っていた。かれらはおゆうの身妝みなりや、美しさや賢いことに、なかばおそれながら、尊敬とあこがれを感じているようにみえた。
ちいさこべ (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
りゅうとした身妝みなりだし、どこから見ても堂々たる旦那ぶりでござる。