蹲跼しゃが)” の例文
何だか寂しいから、もう引返そうかともおもって、川柳の花のほうけているのを弄んだりなどして暫くそこに蹲跼しゃがんでいた。
ドナウ源流行 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
私が勝手口の木戸を開けて、河ばたの石の上に蹲跼しゃがみながら、かちゃかちゃとなべを洗っていると、この人が坂の下の方から能く上って参りました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
私たちはまだ、靴のうえに蹲跼しゃがみこんでいたのだ。彼女のこの想定にも一理ある。私はそう思った。
四人は杉の木の根方ねかたの処に蹲跼しゃがみ、樹にもたれ、柵のところに体をおしつけてその声を聞いている。声は、木曾で聴いたのよりも、どうも澄んで朗かである。
仏法僧鳥 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
なかには立って歩いているのもあれば、蹲跼しゃがんで肩までかってるのもある。