踽〻然くくぜん)” の例文
少年は川上へ堤上を辿たどって行った。暮色はようやせまった。肩にした竿、手にしたふご筒袖つつそで裾短すそみじかな頬冠り姿の小さな影は、長い土堤の小草の路のあなたに段〻と小さくなって行く踽〻然くくぜんたるその様。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
踽〻然くくぜんとして夕陽せきようの山路や暁風ぎょうふう草径そうけいをあるき廻ったのである。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)