赧顔あからがお)” の例文
帳場の格子の背後うしろには、二十はたちばかりの色のあおい五分刈頭の男がすわっていて、勝手に続いているらしい三尺の口に立っている赧顔あからがおの大女と話をしている。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
とヨハンはでっぷりした腹部をゆすりつつ、赧顔あからがおをなおからからと笑わせて一人先に橋を渡っていくのだった。
罌粟の中 (新字新仮名) / 横光利一(著)
梶はホテルの者だろうと思って黙っていると、肥満した赧顔あからがおの男が一人勝手に這入はいって来た。
罌粟の中 (新字新仮名) / 横光利一(著)