赤裸々あかはだか)” の例文
温かい春の日のぺんぺん草の上に樋匠をけなわは長閑に槌を鳴らし、赤裸々あかはだかの酒屋男は雪のふる臘月にも酒の仕込みに走り廻り
水郷柳河 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
脊丈せいず四尺ぐらいで、腰に兎の皮をまとっている他は、全身赤裸々あかはだかである。さめのように硬い皮膚の色は一体に赭土色あかつちいろで、薄い毛に覆われていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
先づ山林濫伐で水源が赤裸々あかはだかになる。そこで以前は二日に流れた雨量を一日に流して二倍にする。其れを又た下流に色々な障礙物を築造して、無理に水を湛へて逆流させて三倍にして仕舞ふ。
大野人 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
温かい春の日のぺんぺん草の上に桶匠おけなわは長閑に槌を鳴らし、赤裸々あかはだか酒屋男さかやをとこは雪のふる臘月にも酒の仕込しこみに走り囘り
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)