賭仕合かけじあい)” の例文
それ、武は覇者はじゃの道にして、心、王者の心を以て旨となす。明皎々として一点の邪心じゃしんあるべからず。されば賭仕合かけじあいい、賭勝負、およそ武道の本義にもとるべき所業は夢断じて致すべからず、とな。
けれど、千浪と重蔵とは、老人の占言せんげんがあるばかりでなく、何となく賭仕合かけじあいの小屋で聞いたところに疑念を抱いていたので、不動院からにわかに道筋を変え、上州路へ折れてしまったのである。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)