貌容かおかたち)” の例文
そして、かねて、自分の屋敷にかくしておいた石田大七を、たくみに貌容かおかたち化装けそうさせ、外郎売ういろううりに仕立てて萩乃の身をまもらせたのもそれがしの策。——その他、いちいちは申しあげぬ。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
貌容かおかたちとか、身装みなりとか、うわべのものにつつまれているので、おん身とわしとが、べつな者に見えたり、敵に思われたり、憎んだり、ねたんだり、あらゆる愛憎の霧がかかってきて
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)