謡声うたいごえ)” の例文
鳴門舞なるとまい——しばらく殿の朗々たる謡声うたいごえも聞きませぬ。詩吟、舞踊なども、たまには浩濶こうかつな気を養ってよろしいものと存じます」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
謡本を前にして眼を閉じると、翁のその曲の謡声うたいごえが耳に聞こえるように思う。ところが自分が謡出してみると、思いもかけぬキイキイ声が出るので悲観する次第である。
梅津只円翁伝 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
酔いの醒めない謡声うたいごえである。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)