諸馳もろがけ)” の例文
源はもう、仰天して了って、しっかりと手綱を握〆めたまま、騒がしく音のする笹の葉の中を飛んで、馬と諸馳もろがけに馳けて行きました。黄色い羽のちょうは風に吹かれて、木の葉のように前を飛び過ぎる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)