諸肌脱もろはだぬぎ)” の例文
この連中も最初のうちは、やや控え目にしていたのが、ようやく調子づいて来ると、四方あたりに遠慮がない。諸肌脱もろはだぬぎになった壺振役つぼふりやくが、手ぐすね引いていると、声目こえめを見る中盆なかぼんの目が据わる。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
向顱巻むこうはちまきしたであります——はてさて、この気構えでは、どうやら覚束おぼつかないと存じながら、つれにはぐれた小相撲という風に、源氏車の首抜くびぬき浴衣の諸肌脱もろはだぬぎ、素足に草鞋穿わらじばき、じんじん端折ばしょり
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)