諛辞ゆじ)” の例文
若し夫れ彼れが遺著たる「エメルソン」に至つては、其今日の文学世界絶好の散文たるは世自ら公論あり、又我儕の諛辞ゆじを要せざる也。
北村透谷君 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
異国の風情ふぜいを好む近年の流行心理に投じた為もあるが、欧洲人にしてこの画家程印度インド人を領解した人は無いと云ふ諸新聞の推讃も決して諛辞ゆじで無い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
私は坪内君が諛辞ゆじを好む人でない事を知ってるから少しもはばからずに直言する。
竹田陳人が所謂挙世伝播頼家脚都門一様字渾肥といふもの、決して諛辞ゆじに非りし也。彼は斯の如くに天下より景慕せられたり。書生は皆頼氏の門に向つてはしれり。文運は頼氏に因りて一変せられたり。
頼襄を論ず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)