触鬚しょくしゅ)” の例文
諸君はこの悲痛なる椿事ちんじをも黙殺するであろう乎。即ち彼は余の妻を寝取ったのである! 而して諸君、再び明敏なること触鬚しょくしゅの如き諸君よ。
風博士 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
昼間の間に部屋の中へ、こっそり忍び込んでいたのでもあろう、一匹の蟋蟀こおろぎが飛んで来た。長い触鬚しょくしゅをピラピラと揺すって、巨大なのみのような形をして燭台の脚の下にうずくまっている。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
即ち彼は余の妻を寝取つたのである! 而して諸君、再び明敏なること触鬚しょくしゅの如き諸君よ、余の妻は麗はしきこと高山植物の如く、実に単なる植物ではなかつたのである。
風博士 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)