西洋髪せいようがみ)” の例文
同時にまたそう云う妹の羞恥しゅうちを享楽したい心もちもした。かたがた広子は安楽椅子の背に西洋髪せいようがみの頭をもたせたまま、全然当面の問題とは縁のない詠嘆の言葉を落した。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
まずつきあたりに空色の壁、それから真新しい何畳なんじょうかのたたみ、最後にこちらへうしろを見せた、西洋髪せいようがみの女が一人、——それが皆冷やかな光の中に、切ないほどはっきり映っている。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)