襤褸蚊帳ぼろがや)” の例文
夜になって、色せた一張の襤褸蚊帳ぼろがやが吊られた。市平にはそれが、なんとなくなつかしかった。涙含なみだぐましくさえ思われた。そして親子四人は、暫くぶりで一枚の布団ふとんにもぐりこんだのであった。
土竜 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)