襁褓しめし)” の例文
父親はかばんに二本からげたかさを通して、それを垂下ぶらさげ、ぞろぞろ附いて来る子供を引っ張ってベンチのところへ連れて行くと、母親も泣き立てる背中の子をゆすり揺り襁褓しめしの入った包みを持って
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すぐけえって何処の人だか手掛てがゝりイ見付けようと思って客人が預けて行った荷物を開けて見ると、梅醤うめびしお曲物まげものと、油紙あぶらッかみに包んだ孩児の襁褓しめしばかりサ、そんで二人とも棄児すてごをしに来たんだと分ったので
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)